独学のコツ:証券分析とポートフォリオ

証券アナリスト試験「証券分析(1次レベル)」の学習法やテキストを紹介します。

目次

証券分析の学習法概要

証券分析は、出題範囲が経済学と財務分析と重複しています
よって、3科目のうち、証券分析より経済学と財務分析から勉強すること

勉強の順番
たいていの人は、債券→証券分析とポートフォリオ→デリバティブの順に勉強していきます。
間に合わなければ、デリバティブは、あんまり勉強しなくても何とかなります。(他ので点を稼ぐ)

数学
この科目の1次レベル試験は、半分以上が計算問題です。
債券は現在価値計算・利回り計算で割り算や二次方程式を使います。
証券分析では期待値、分散、標準偏差を求めるのに掛け算が必要です。
いずれも数学が苦手でも何とかなるでしょう。
正規分布とか検定とかは、1次レベルでは捨てても大丈夫です。私も分布の形ぐらいしかわかりません。

テストの配点

他の科目と同じく1次レベルは、概ね6割正解で合格できるようです。180点満点中6割で108点。
取らぬ狸で、どの問題に何点取れそうか、あたりをつけておくこと。

問題 コツ
第1問(15点)
証券の常識問題
まずは正誤選択問題が15問ほど。
証券外務員やフィナンシャルプランナーの試験に毛が生えた程度です。
悪くても15点中10点は欲しいです。
ザラ場、板寄せ、ブックビルド、IPO、証券化など基本用語をしっかり抑えること
第2問(30点)
財務分析
財務分析の中からファンダメンタル分析の問題が出ます。
・財務分析は、財務の科目と解き方は同じだが、指標を見て企業分析の判断ができる必要がある。
 過去問で違いを把握しておくこと。
・証券分析特有の問題としては潜在株式数、フリーキャッシュフロー等がある。
潜在株式数の解法は、エービーシーの本よりTACが分かりやすかったです。
第3問(30点)
株価の理論
ひたすら理論価格を求める。経済学と出題範囲が重複しています。
経済学と違うのは、CAPMで要求収益率を求めることです。
要求収益率さえ分かれば、あとは経済学と同じで理論株価を求めるだけです。
そこが分からないと、この問題は一つも解けず0点になってしまいます。
要求収益率=期待収益率E[R] = Rf + β(E[R] – Rf) これは丸暗記で。
第4問(35点)
債券
債券価格と各種利回り、スポットレートとフォワードレート、コンベクシティとデュレーション
債券は、出る問題が決まりきっているので過去問を完璧にしておくこと
また、債券はすべての金融商品の基本なので利回りの概念もしっかり理解すること。
特に利回りの問題は、式を見たら、すぐ手が動くようになるまで計算式に慣れ親しむべしです。
慣れておかないと個々に理解できても、問題を見ても、どの利率計算なのか分からなくなります。
まずは、割引債・クーポン債それぞれについて、
価格を求める式と各種利回りを求める式をスラスラ書けるようになること。
第5問(30点)
デリバティブ
フォワード、オプション(コール・プット)、為替先物。
簡単な問題だけ解けるようにして後は捨てて債券の学習に時間を割く。
・オプションの本質価値については、しっかりと概念を理解すること
・プットコールパリティ式「S-C+P-K/(1+r)=0」を覚えておけば、何かと解ける。
  「SCPKたす引くたす引く=0。Kは利率で割る」と100回ぐらい唱えればOK
第6問(40点)
ポートフォリオ理論
これを勉強するために証券アナリスト試験は存在します(たぶん。
出題範囲も広く、計算問題も多いです。
しかしながらここ最近は基本を抑えていれば解ける問題ばかりになりました。
・期待値、分散、標準偏差、ベータなどリスクに関する計算は、苦しくても完璧にしておくこと
・正規分布、検定などは落としてもOK
・時間加重収益率、シャープレシオなど収益とリスクも出題がある

あと、最近は、状態価格、リスク中立経済の問題が、
株価・デリバティブ・ポートフォリオと分野・科目に限らずよく出題されるので抑えておきたいです。

入門的テキストと協会推薦図書

この本は、「証券投資論 第3版(5900円)」が、2冊になって合計9240円とふざけた価格改定しちゃった本です。値段の話はさておき、ファイナンスの教科書としては最もスタンダードな本で、証券アナリストを勉強するなら持っておいていいのではないかと思われる1冊です。学生のレベルにもよりますが、学部のゼミテキストとして使われるレベルです。あと、購入するだけで「証券アナリストの勉強してる」という、根拠のない満足感に浸れるといった点でもオススメです。

この本は高すぎる、 難しすぎる、という方は、同じく協会推薦図書「経済学とファイナンス」著者の大村敬一氏が書いた「証券投資理論入門 (日経文庫)」から入ったほうがいいと思います。こちらは、証券投資論の要約版といった感じです。

この本は本当にお薦めです。まずもって900円と、コストパフォーマンスがすばらしい
(新投資理論を買うお金でこの本が9冊も買えてしまう。

この本が理解できたら、証券分析1次レベルの重要ポイントは理解できたと思ってよいのではないかと思います。内容は、協会推薦図書の「証券投資論I」のさらに入門編といったところです。著者は、同じく協会推薦図書の「経済学とファイナンス」の著者である大村敬一氏です。Amazonの書評では星が少なめですが、文庫本なのに入門過ぎないところが評価されていないのではないかと思います。

証券分析1次レベルのまとめテキスト+過去問題集

まとめテキストを選ぶ際は、(1)資本市場理論・CAPM、(2)債券のデュレーション、コベンクシティ、(3)リスク中立が理解しやすいかどうかで選んでください。この3点は、他の部分と比べて理解度が低くなりがちなのに、必ず出題されるからです。

以下は、左からTAC、ABC、経済法令の2011年度版テキストです。