試験の難易度(合格率と合格点)

公開日:2011/06/12、 最終更新日:2014/12/11

証券アナリスト試験の難易度について合格率と合格点の視点からみてみます。

どんなことを勉強するのか

証券アナリストの教育プログラムでは、以下の4科目について学習します。
メインになるのは「証券分析とポートフォリオマネジメント」です。
経済学や財務を1とすると、証券分析とポートフォリオは3ぐらいの学習量になります。

経済 マクロ経済学、ミクロ経済学、国際金融論
財務 財務会計学、財務諸表分析
証券分析と
ポートフォリオ・マネジメント
計量分析・統計学、ファンダメンタル分析、
個別資産(債券・デリバティブなど)、ポートフォリオ理論
職業倫理・行為基準

経済や財務は、大学で受講したことがある人が多い科目ですが、証券分析は数学が出てくることや必須科目ではない場合が多いので、経済学部の人でもやったことがない人が多いみたいです。(おもしろいのに!)大学では、「現代ファイナンス論」「資本市場論」というような科目名になっていることが多いです。

証券分析でどんなことを学習するかを知りたい人は、新書(証券投資理論入門)を読んでみてください。証券アナリストの証券分析とポートフォリオで学習する内容がコンパクトにまとめられています。

試験科目と試験方式

1次レベルの3科目は、「証券分析とポートフォリオ」「財務分析」「経済」の3科目です。
このうち証券分析は180点満点、財務分析と経済は100点満点です。いずれもマークシート試験です。

2次レベルは、「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」「財務分析」「経済」「職業倫理・行為基準」の4科目です。
4科目を学習しますが、試験は1つにまとめられ7時間ぶっ通しの記述式の試験になります。

合格率

最近の証券アナリスト試験の合格率は以下の通りで、受験者の半分ぐらいが合格するようです。

第1次レベル3科目試験
2010春:46.8% 
2010秋:46.8% 
2011春:49.4%(7365人中3641人が合格)

第2次レベル
2010年春 47.3%(3108人人中1470人が合格)

しかし、この試験は記念受験する人が少ないので、5割も合格できる簡単な試験ということはありません。というのも、受験資格を得るための通信講座に費用が要ることや、受講後、数年以内に合格しないと再受講が必要になると言った理由で、受験者がしっかり勉強してくるため、記念受験やとりあえず受験する人があまりいません。

もっとも、会社に言われてやっているだけで、何年も再受講&再受験しているというパターンもないことはないです。知り合いに、3回目の通信教育申し込みをしてる人がいました・・・。

合格点

1次試験も2次試験も、おおむね60%と言われています。この60%というのは非公式情報ですが、実際、2chなどで自己採点60点未満の人が落ちて、60点以上の人が受かっていることを見ると信憑性は高いです。

大きな変動があると調整されるときもあると言われてます。どの問題が何点か、という配点が公開されていないので、そのあたりで調整されているみたいです。

高学歴者の受験が多い

証券アナリスト試験は、高学歴者が受験することが多く、彼らは試験が得意です。

出身大学の受験偏差値と比例すると思うのですが、受験勉強が得意な人(1,2回問題を解いただけで覚えられる人)は、証券アナリスト試験は楽勝です。そうではない人は何度も同じ問題を解いて、頭に叩き込むしかありません。金融機関の、資金運用、クォンツ、アナリストをやるような部門には、頭のよい人がたくさんいるもので、余裕で受かる人もたくさんいます。私はそういうタイプではないので苦労しましたが。

まとめ

記念受験する人がいないので、合格率5割だからと言って簡単な試験ではありません。ただし、合格率とは関係なく60点取れば合格するので、司法試験のように完璧に勉強&解答しないといけないというわけではありません。出題ポイントをある程度抑えて学習すれば、たいていの人は余裕で合格できるでしょう。