独学のコツ:1次レベル証券分析とポートフォリオ

公開日:2011/01/27、 最終更新日:2016/08/20

証券アナリスト試験「証券分析(1次レベル)」の学習法やテキストを紹介します。

目次

証券分析の学習法概要

他の2科目を先に学習する

証券分析は、他の2科目(経済学と財務分析)の知識が前提となっていたり、出題範囲が重複しているので、経済学と財務分析の学習を先に始めるのがよいでしょう。債券、株式、ポートフォリオの順に学習する

証券分析科目の中では、債券→証券分析とポートフォリオ→デリバティブの順に勉強していくのがよいです。これは、利子と配当など証券の性格からして自然な流れです。受験までに間に合わなければ、デリバティブは、あんまり勉強しなくても何とかなります。(他の分野で点を稼ぐ。)

基礎的な計算問題が多い

証券分析は半分以上が計算問題です。債券は現在価値計算・利回り計算で割り算や二次方程式を使います。証券分析では期待値、分散、標準偏差を求めるのに掛け算が必要です。いずれも数学が苦手でも何とかなるでしょう。正規分布とか検定とかは、1次レベルでは捨てても大丈夫です。私も分布の形ぐらいしかわかりませんでした。

出題範囲ごとの学習ポイント

他の科目と同じく1次レベルは、概ね6割正解で合格できるようです。180点満点中6割で108点。取らぬ狸で、どの問題に何点取れそうか、あたりをつけておくこと。

問題 コツ
第1問(15点)
証券の常識問題
まずは正誤選択問題が15問ほど。
証券外務員やフィナンシャルプランナーの試験に毛が生えた程度。
悪くても15点中10点は欲しい。
ザラ場、板寄せ、ブックビルド、IPO、証券化など基本用語をしっかり抑えること
第2問(30点)
財務分析
財務分析の中からファンダメンタル分析の問題が出ます。
・財務分析は、財務の科目と解き方は同じだが、指標を見て企業分析の判断ができる必要がある。過去問で違いを把握しておくこと。
・証券分析特有の問題としては潜在株式数、フリーキャッシュフロー等がある。
潜在株式数の解法は、エービーシーの本よりTACが分かりやすい。
第3問(30点)
株価の理論
ひたすら理論価格を求める。経済学と出題範囲が重複しています。
経済学と違うのは、CAPMで要求収益率を求めることです。
要求収益率さえ分かれば、あとは経済学と同じで理論株価を求めるだけ。そこが分からないと、この問題は一つも解けず0点になってしまう。
要求収益率=期待収益率E[R] = Rf + β(E[R] – Rf) これは丸暗記で。
第4問(35点)
債券
債券は、出る問題が決まりきっているので過去問を完璧にしておくこと
特に、「債券価格と各種利回り」「スポットレートとフォワードレート」「コンベクシティとデュレーション」。これらの計算は完璧に。
また、債券はすべての金融商品の基本なので利回りの概念もしっかり理解すること。特に利回りの問題は、式を見たら、すぐ手が動くようになるまで計算式に慣れ親しむべし。慣れておかないと個々に理解できても、問題を見ても、どの利率計算なのか分からなくなる。
まずは、割引債・クーポン債それぞれについて、価格を求める式と各種利回りを求める式をスラスラ書けるようになること。
第5問(30点)
デリバティブ
フォワード、オプション(コール・プット)、為替先物。
簡単な問題だけ解けるようにして後は捨てて債券の学習に時間を割く。
・オプションの本質価値については、しっかりと概念を理解すること
・プットコールパリティ式「S-C+P-K/(1+r)=0」を覚えておけば、何かと解ける。
  「SCPKたす引くたす引く=0。Kは利率で割る」と100回ぐらい唱えればOK
第6問(40点)
ポートフォリオ理論
これを勉強するために証券アナリスト試験は存在する(たぶん。
出題範囲も広く、計算問題も多い。しかしながらここ最近は基本を抑えていれば解ける問題ばかりになった
・期待値、分散、標準偏差、ベータなどリスクに関する計算は、苦しくても完璧にしておく
・正規分布、検定などは落としてもOK
・時間加重収益率、シャープレシオなど収益とリスクも出題がある

あと、最近は、状態価格、リスク中立経済の問題が、株価・デリバティブ・ポートフォリオと分野・科目に限らずよく出題されるので抑えておきたいです。

ポートフォリオ理論の入門書

証券分析の試験対策に当たって、必ずしも入門書は必要なく、試験対策の参考書からはじめればよいと思いますが、まずはどんなものか雰囲気をつかみたい方は入門書を手にとって見てもよいでしょう。

この本は本当にお薦めです。まずもって900円と、コストパフォーマンスがすばらしい。新投資理論を買うお金でこの本が9冊も買えてしまう。アマゾンの中古本なら1円で買えてしまう!

この本が理解できたら、証券分析1次レベルの重要ポイントは理解できたと思ってよいのではないかと思います。内容は、協会推薦図書の「証券投資論I」のさらに入門編といったところです。著者は、同じく協会推薦図書の「経済学とファイナンス」の著者である大村敬一氏です。Amazonの書評では星が少なめですが、文庫本なのに入門過ぎないところが評価されていないのではないかと思います。

1次レベル試験対策参考書の一覧(まとめテキストと問題集)

証券分析の参考書、問題集の一覧です。定番の参考書がTACの参考書と問題集(最初の2冊)。2,014年から出版されているのが元証券アナリスト協会佐野氏による「最短合格」テキストです。

このカテゴリの記事