1次レベル財務分析の学習のコツ
証券アナリスト試験「財務分析(1次レベル)」の学習法やテキストを紹介します。
目次
財務分析の学習法概要 – 簿記からはじまる
財務分析というだけあって、財務諸表を読めないと話になりません。財務諸表を読むには簿記の知識が必須です。くわえて、試験にはリース会計や減価償却など会計の基本(簿記2、3級で学ぶ知識)も出題されるので、簿記・会計用語が分からないと問題文の意味すらわかりません。
そんなわけで、財務の勉強を始めるにあたって、簿記・会計の知識がまったくない人は、日商簿記2級レベルの簿記・会計学の学習から始めるのがよいです。協会の通信講座でも、財務の1冊目のテキストは簿記の基礎が中心になっていますが、協会のテキストより、市販の簿記の参考書のほうがわかりやすい。
一方で、簿記の試験ではないので、細かい仕分けや伝票処理ができるほど、細かく覚える必要ありません。帳簿の種類や簿記の考え方を理解することが大事です。簿記の雰囲気がわかってきたら、証券アナリスト試験対策の参考書で勉強しましょう。
出題範囲ごとの学習ポイント
他の科目と同じく1次レベルは、概ね6割正解で合格できるようです。大問が4問出題されます。
大問 | 形式 | コツ |
---|---|---|
第1問 | 正誤選択 | 1問ずつ違う問題で、全範囲から出題されます。 意外と細かい質問が出てきますので、難しいです。ここは半分正解できればOKです問題は、証券アナリスト講座のテキストからそのまま出題されているようです。通勤中など時間のある人は、テキストを読むとよいでしょう。時間のない人は、他の問題の学習を優先しましょう。 |
第2問 | 計算問題など | 第2問、第3問は、どこかの分野が2つ選ばれて出題されます。 ここが、財務試験のメインだと思っていいです。7割以上を目標にしましょう。過去問とだいたい同じ形式の問題が出ますので、2年分ぐらいはこなしておくこと。ここを落とすと受からないので、苦手分野を作らないよう、まんべんなく学習すること。知らない問題が出ると、大問をまるごと落とすことになる。 |
第3問 | ||
第4問 | 財務指標の計算 | 実際の財務諸表を見て各種指標を計算したり企業分析をする問題。 過去問を繰り返し機械的に解けるようになっておくこと。全部正解を目標に。(財務諸表のどこに何が記載してあるかを暗記する)少なくともROE,ROAあたりは絶対間違ってはいけない!!計算には期首期末の平均値を使う等、微妙なコツをつかんでおくこと。 |
初めての人のための簿記・会計入門書
会計の知識がまったくない人のための簿記・会計の入門書を紹介します。こういった本を短期間で読みきってしまうとよいでしょう。
このサイトの管理人もこの本で簿記や会計の概念をつかみました。(めんどくさくて)何回も簿記には挫折していましたが、この本はいままでで一番分かりやすかったです。
簿記未経験者にはよい本。こういう簿記試験の参考書を、2、3日で勉強しましょう。簿記試験の本はたくさんありますが、どれも似たり寄ったりです。どんなに分かりやすいと銘打った本で学んでも、初心者なら最初の1~2日は「なんのこっちゃ???」という状態になると思います。それを乗り越えて、仕分け(財務諸表の記入方法)のコツを把握できると、どんどん頭に染み込んできます。その段階まで行ったら、簿記の本を見るのをやめてアナリストの参考書に移りましょう。
新書のよいところは、安いが内容が薄いわけではない、という点です。こちらは、経済学のページでも紹介しているシリーズで日経文庫です。この会計学入門は、日経文庫の中でもロングセラーです。Wikipediaでも主な日経文庫のロングセラーとして紹介されています。
試験対策参考書の一覧(まとめテキストと問題集)
財務分析のまとめテキストは、以下です。
このカテゴリの記事
- 1次レベル試験の概要
- 独学のコツと1次テキスト選び
- 1次レベル 経済学の勉強法
- 1次レベル 財務分析の勉強法
- 1次レベル 証券分析とポートフォリオの勉強法
- 数学と統計学 どのぐらい勉強しておけばいいか